前々回投稿した新版K式発達検査】と【WISC-Ⅳ 知能検査】のスコアの開きの後編です。
前々回の最後に「ASDならではのスコアの差の理由は次回」としました。
その理由を今回お話します。そしてもう一つ付け加えると、今回のスコアは私にとってはあまり気にしてないので、その理由もお話しします。
(文中の☆はメンタルクリニックのこと★は南部こども相談センターのことです)
【スコアの差】
☆WISKーⅣは毎月行ってるクリニックの心理士さん(大好き)なので、頑張る(しかも朝一で体力バッチリ!!)
★南部こども相談センターは昼からで、長くて、全く知らない人でやる気でない
➡ASDの子は見知らぬ人、や信頼関係の結べていない人は拒否しがち
☆クリニックに行く日は必ずデニーズでモーニングなので朝からご機嫌
★途中、私が道を間違えてしまい娘は不安で不安で高速乗らないの?間に合うの?とプチパニック
➡ASDの子は見通しのつかない環境に弱い
★スコアが特に低かった項目は、一番苦手な質問に対する答え(質問の意図が理解できずズレた答えになる)
★そしてなんの声掛けもなくひたすら待たされる・・・余計に意気消沈(^-^;
という風に、完全に不利な状況での検査でした。
うんうんスコアの開き出ても仕方ないよ(^-^;
WISKは内容を私が知らないので、事前練習して、スコアを意図的に上げるということはできませんが、
新版K式発達検査はアイオライトにも検査用具一式あるので、スコアを上げようと思えば事前練習させれば
上げることは可能なんです。(無意味なのでやりませんが)
↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑
奇跡的に当たって受講できたのですが、受講できないまま実践で検査する方のほうが多いです。
【結果をあまり気にしてない理由】
今回足を引っ張った項目、[下限]5:0超~5:6(5歳から5歳6か月レベルということです)
【了解Ⅲ2/3】はASDのお子さんには一番しんどい項目なんです。
心の理論が未発達、他人の気持ちがわからない、なので自分はどうか?と自分にとって具体的に答えるので、一般論からずれてしまいます。
実際にされた質問は
「学校に遅刻しそうな時どうしますか?」
娘の回答は
「ママに学校に電話してもらう」
でした。
毎日、出勤途中に学校に送っていくので、自分のこととして答えているのであながち間違いではないのですが、
※日常の「どうする?」に対する力はついているが「遅刻しそう」は確定ではない状況、
それに対して一般的な答えでなく抽象的な答えとなっている。
※ママに電話してもらうというのは自分にとって具体的でも一般的にはずれている
となるのです。
確かに頓珍漢な答えや、ずれたことをいう、主語がないのでいつの誰の話か分からないことが多々ある
不思議ちゃんではありますが、
空気を読む努力をしているし、大人や目上の人には敬語が使えるようになったり、数少ないが友達もできました。
彼女は彼女の世界で必死に成長しようとしているし、必死に周りと折り合いをつけようとしているのを
わたしは知っているので、今回の結果では再度療育該当となってしまいましたが、上限は成人レベルまで
上がったことをむしろほめてやりたいと思いました。
そして最後に、WISkなどは、世界で行われていますが、「新版K式発達検査」は日本のみ、
そんな日本はASDの方にとって、とても生きにくい国です。
一番大事なのは保護者が的確に観察し、把握できているか?専門家でも観察できない人、自分の思いだけでする人、はたくさんいます。
保護者の観察に勝る療育はないと思います。
私たちも、思いだけにならないようエビデンスを積めるよう、日々、子供を観察し最善の対処を見つけていきたいと思います。
市岡 晴美